REM

東京・神奈川・埼玉・千葉などの首都圏で、事務所・オフィス・店舗・住宅の内装工事、移転、引っ越し、デザイン設計、レイアウト作成、中古ビルの不動産再生・リノベーション等、内装屋・外装・改修工事業者、トータルプロデュース会社をお探しなら是非お問い合わせ下さい。

03-5315-0142

コラム

Column

理想の働き方を見える化するオフィスのデザインコンセプトとは

2022年10月20日にオープンした「ふかや花園プレミアム・アウトレット」へ視察に行きました。「地域との共生」のデザインコンセプトのもと、深谷市とゆかりの深いレンガや深谷市名産の花々を取り入れた個性溢れる作りになっているのが印象的でした。プロダクトやサービスをデザインするとき、コンセプトの設定は重要であり、それはオフィスデザインにも当てはまります。この記事では、オフィスにコンセプトを導入し、理想の働き方を「見える化」する必要性やコンセプトを決めるポイントなどをご紹介します。
◎デザインコンセプトで理念や理想を見える化
「コンセプト」とは、新しい視点やユニークな主張、独自の提案性を意味します。「マネジメントの父」ピーター・ドラッガーが「生きることは変わることだ」と述べているように、技術革新が進み目まぐるしく変化するIT化社会において、企業には変化に対応する適応力が求められています。その適応力のベースとなる核となるものが、コンセプト設計です。企業や商品、サービスにコンセプトを設定することは、「ほかとの違い」という価値を明確に内外に示し、より高いフィールドで競争を目指すための原動力になるのです。
 
同様のことはオフィスデザインにも当てはまります。オフィスの移転やリニューアルの際には、しっかりとしたコンセプト設計が重要です。オフィスにおけるコンセプトの役割は、古い習慣や概念、価値やルールを見直し、新しい概念を組み立て直すとともに、そこで働く従業員に新しい生き方や価値観を提案することです。そこには必ずイノベーションが発生しており、企業が全社一丸となって「これからどこへ向かうのか」「どうなりたいか、あるべき姿とは」といった理念や理想を強いメッセージとして社内外に発信します。
 
また事業内容では「何を目標とするのか」「社会でどのように評価されていくのか」、人材開発面では「どのような人材の集合体とするのか」などのイメージを見える化する効果も期待できます。さらに、コンセプト設計がしっかりしているオフィスは、働きやすさと快適さを兼ね備えており、従業員ひとりひとりの「理想の働き方」を実現する場所でもあります。
 
オフィスにデザインコンセプトを設定し、自社にしか出せない「らしさ」やオリジナリティを表現しましょう。
◎デザインコンセプトを重視したオフィスの施工事例
実際に、オフィス設計や施工にデザインコンセプトを取り入れた事例を3つご紹介します。当社ではお客さまが納得されるまでヒアリングを行い、理想のオフィスデザインを実現しています。
 
〇虎ノ門オフィス
2022年、港区虎ノ門のオフィス移転の事例です。新装工事とデザイン設計のほか、設備工事、内装工事、家具什器工事などを担当しました。コンセプトは「モノトーン」と「シンプル」。ヒアリングを何度も重ねるなかで、お客さまが持っているオフィスのイメージを少しずつ形にしていき、理想のデザインとして実現しました。代表者さまが身体のトレーニングを大切にされるというお話から、愛用されているトレーニングマシンをオフィスにも取り入れ、インテリアと調和させるようデザインを工夫しました。
〇麻布台オフィス
2021年、港区麻布台のオフィス移転の事例です。有名アーティストグループやアートイベントなどの企画・製作に携わっている企業さまです。新装工事やデザイン設計のほか、設備工事、内装工事、家具什器工事などを実施しました。個性的なアートやキャラクターを取り入れた既存オフィスのコンセプトをベースに、コロナ禍における新しいコミュニケーションを可能とするオフィスを実現しています。Web会議などに対応できる個室防音ブースなどを備えた内装設計は、先方のデザイナーさまと当社デザイナーが協働する形で進めました。
〇渋谷区桜丘町オフィス
2022年、創業370年を超えるマルカン酢株式会社の東京オフィス移転工事の事例です。築40年超で約100㎡のテナントに対し、新装工事とデザイン設計、設備工事、内装工事、家具什器工事などを行いました。370年という長い歴史を語るコンセプトのもと、飲食業界らしい清潔感を演出したデザインになっています。将来的な増員や簡易的なミーティング、外部社員のための作業スペースなど、さまざまなケースに対応できるよう細部にわたり工夫したほか、企業の顔とも言えるエントランスには来客の受け皿としての造作カウンターを制作し、お客様の特徴を活かしたユニークなオフィスを実現しました。
◎オフィスにデザインコンセプトが重要な理由
オフィスの移転やリニューアルを実施する際に、デザインコンセプトは重要視される項目のひとつです。その理由を理解しておくことで、目指しているオフィスデザインに近づくでしょう。
 
〇企業理念や事業内容をアウトプットできる
オフィスには、創業時の思いや大切にしてきた企業理念、自社の持つ事業内容や強みを反映した、強いメッセージが込められています。デザインコンセプトには、そのようなメッセージを社内外にコミュニケートし、時代のフィールドに合った価値観や将来に向けてのイメージをアウトプットするという役割があります。
 
〇多様な働き方が実現できる
テレワークやABW(Activity Based Working)、フリーアドレスなど、多様な働き方がスタンダードになりつつあります。今やオフィスは「働くための場所」としての位置付けだけでなく、「ひとりで集中して作業する場所」「自分を自由に表現する場所」「コミュニケーションを活性化させる場所」など、スタッフに合った働き方を実現する場所です。オフィスにデザインコンセプトを導入して働き方を見える化することにより、多様な働き方を実現できる環境であることを社内外にアピールできます。
 
〇ブランディングにつながる
IT技術が発展し市場が成熟した現代社会において、次なる社会の動きを見据えたニーズや価値観を見つけ、他社と差別化することが重要とされています。オフィスのデザインコンセプトは、自社と自社ブランドの持つ独自性を社内外にわかりやすくアピールできる場であり、それがオフィスで働く従業員や社外に向けたブランディングにつながります。
 
〇企業の大切にしているポイントが明確になる
集中して作業をこなせるファミレスタイプのボックス席、カフェタイプの緑あふれるソファ席、靴を脱いで寛げるリフレッシュエリア、ガラスで開放感のあるミーティングルームなど、オフィスを見れば企業が何を重視しているのかがよくわかります。働き方を見える化するコンセプト設計は企業の独自色を出せるため、従業員満足度の向上や優秀人材の確保、取引先企業の安心感につながります。
 
〇現状の課題を解決し今後の指針を示せる
どれほどオシャレで機能的なオフィスデザインができたとしても、現状のオフィスが抱えている課題を残した状態ではあまり意味がありません。オフィスのデザインコンセプトは、現状の課題を解決して「これから企業としてどのように目標へアプローチしていくか」という今後の指針を示すものと言えるでしょう。
◎デザインコンセプトを決定するポイント
オフィスのデザインコンセプトは、企業そのものを表すシンボルです。そのため、代表者ひとりの独断で決定するのではなく、そこで働くスタッフたちが納得するものでなければなりません。コンセンサスを得られるオフィスデザインのために、まずはコンセプトをプロジェクトチームとして考えるのか、担当者を決めてその人に一任するのかの方針を検討します。決定プロセスがスムーズなのは担当者に一任する方法ですが、オフィスデザインはスタッフ全員に関係することなので、複数人数のプロジェクトチームとして進めるほうが良いでしょう。
共に働く者同士で意見を出し合いながら進めることで、より洗練されたデザインコンセプトを決定できます。オフィスデザインに強い内装業者などに介在してもらうことで、プロから見たさまざまなアドバイスや提案を受けることもできます。
 
体制が決定したら、現状のオフィスが抱えているさまざまな課題を洗い出します。配置や導線、会議室やコミュニケーションエリアは適切か、必要なところに最適なものが置かれているか、足りないものはないかなど、現状で抱えている課題や意見を吸い上げます。部署などに偏りがないよう注意し、可能な限り多くの人数にヒアリングを行いましょう。ひとりひとりの「もっとこうしてほしい」という声を新しいオフィスに反映することによって、従業員には「大切にされている」という満足感を得られるとともに、「一緒にオフィスを作っている」という連帯感が芽生えます。
 
課題を洗い出すのと並行して、自社の事業内容や企業理念、大切にしている方針や、今後どのような組織を目指していくかといった将来的なビジョンもコンセプトに反映していきます。同様に、オフィスにぜひ取り入れてほしいのがコーポレートカラーです。色は企業やオフィスの持つ特徴やイメージをわかりやすく伝えてくれます。
 
オフィスは単なる「働くための場所」ではなく、そこで働く従業員たちの多様な考え方や働き方を許容してくれる自由な場所であるべきでしょう。オフィスのリニューアルやリノベーションの際に、ネオンサインやプロジェクターなどを活用したエリア、トレンドのカフェ風オフィスやファミレス席、緑で溢れる癒しのオフィスなど、従来の「オフィス」という概念を覆すような斬新なコンセプトや発想を取り入れてみてはいかがでしょうか。これまでになかった自由なオフィス空間から新たなアイデアが生まれ、それが新しいイノベーションを生み出すきっかけにつながるかもしれません。
◎まとめ
オフィスのデザインコンセプトが明確な企業は、そこで働く従業員に快適な刺激を与え、高いブランド力を維持し、優秀な人材を引き寄せます。また、AWSやフリーアドレス、リモートワークなど、今の時代に求められている多様な働き方に対応した柔軟性を社内外にアピールできます。ワンランク上のオフィスを目指し、自社にしかないオリジナルのデザインコンセプトを設計しましょう。オフィスのリニューアルやリノベーションをご検討なら、当社までお気軽にご相談ください。

理想の働き方を見える化するオフィスのデザインコンセプトとは