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コラム

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クリニック・診療所など医療系施設における内装設計の基本とは

新型コロナウイルス禍における医療需要の高まりを受け、クリニックや診療所といった地域を拠点とする医療系施設の重要性が増しています。なかでもクリニック・診療所は地域の基盤を支えるインフラ施設として重要な役割を果たすため、そこに暮らす住民が安全安心に通院でき、医療スタッフも働きやすい仕組みとしての内装設計が重要になります。この記事では、クリニックや診療所など医療系施設における内装設計の基本について詳しくご紹介します。
 
◎パンデミックで再確認されたクリニック・診療所の存在意義
少子高齢化社会の影響で医療費や社会保障費が膨らみ続けるなか、クリニック・診療所など医療系施設は地域住民の健康や生活を支える場所として強い存在感を発揮してきました。さらに新型コロナウイルスの世界的パンデミックにより、クリニックや診療所などの地域医療施設でも感染症患者が急増し、一時は医療提供体制が逼迫するほどの状況に陥ったことは記憶に新しいでしょう。クリニック・診療所で施される医療行為は、病気や怪我の診察・治療だけにとどまらず、感染対策や日常の安全安心のために非常に重要であるということが、ここにきて改めて再確認される形になりました。
 
厚生労働省は来たる超高齢社会にも耐えられる医療提供体制構築を目的として「地域医療構想」を策定しました。クリニックや診療所などの地域医療施設を核として、地域全体で住民の健康をサポートできる医療体制づくりを推奨しています。地域医療構想では、病床機能として「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」四段階を報告し、限られた医療資源を効率的に活用できることを目的としています。地域住民の健康と生活を支えるクリニック・診療所の需要は今後さらに高まっていくことが予想されます。
 
地域医療を担うクリニックや診療所は、住民が安全に、また安心して通院できる場所でなければなりません。医療系施設における「安全・安心」とは、クリニックや診療所で実際に診療を行う医師や医療スタッフの技術や取り組みによって担保されるものですが、同時にクリニック・診療所の内装設計、空間設計もまた重要な要素のひとつです。
 
「安全」に考慮した内装設計とは、まず法規制に則った構造設備がクリニックや診療所に整っていること、そしてクリニック・診療所の設備を使用する医師やスタッフが適切に使用できるデザインを指します。たとえばクリニックや診療所の待合室や診察室、処置室では、それぞれ患者のプライバシーを保護できる内装設計を考慮する必要があります。臨床検査室であれば、クリニック・診療所のほかの部屋と明確に区切られていることが求められるでしょう。エックス線装置や診療室には、管理区域である旨を示す標識を設置するとともに、クリニック・診療所の部外者が立ち入れないような内装デザインを考慮する必要があります。そのほかにもクリニックや診療所には、建築基準法や消防法、バリアフリー法などに考慮したうえで、医師やスタッフ、そして患者が適切に医療を提供・受診できる内装設計が大切です。
 
また、「安心」に考慮したクリニックや診療所の内装設計とは、たとえば医師やスタッフが快適に働ける環境デザイン、患者がゆったりと落ち着いて医療を受けられる内装デザイン、清潔感を表現したデザインなどを指します。クリニック・診療所には、地域を支える医療拠点としての効率性はもちろん、住民の憩いの場としての温かい内装・空間設計が求められているのです。
◎クリニック・診療所の内装設計のポイント
クリニックや診療所など医療系施設の内装設計を考える際には、まず全体としてのコンセプトを決定するところからはじめます。ここでもっとも大切なのは、クリニック・診療所という空間が「患者のためにあるもの」であるという意識、「患者ファースト」の視点です。患者がいかに快適に過ごせる空間かどうかを最も意識してクリニック・診療所を設計する必要があります。そのために、医療施設としてもっとも大切な清潔感を表現し、患者の安全・安心に配慮したクリニック・診療所であることを見える化することが大切です。
 
クリニックや診療所の内装を明るいカラーや雰囲気に設計するとともに、バリアフリーや導線など患者の利便性を考えた配置をデザインしたり、遮音設備などを適切に配置して患者のプライバシーにも配慮することにより、「居心地がいい」「また来たい」というリピーターを増やす効果が期待できます。
 
内装設計における全体のコンセプトは、クリニックや診療所の診療科ごとに異なる患者層に合わせたデザインも大切です。たとえばクリニックや診療所としてメジャーな内科では、あらゆる世代の患者が来院する機会があるため、診療室と処置室を近い場所に配置して回転率を上げる内装に設計するのが一般的です。小児科なら赤ちゃんや子ども、保護者が安心して過ごせる設計を行う必要があります。ウイルスに罹患するリスクが高い赤ちゃんや小さい子どもに配慮して、クリニックや診療所内でぶつかったり接触することで院内感染を起こさないよう導線を検討します。クッション素材などを壁面に採用して怪我のリスクを予防する内装デザインや、保護者がベビーカーで移動できる広い通路を確保した設計なども必要です。
 
クリニックや診療所の内装設計では、診療で使用する部屋ごとにデザインを工夫するのも効果的です。待合室であれば、隣の人と接触しない、2メートル程度の距離を保てるスペースを確保した設計や、待っている患者同士の目線が合わない配慮などがあると快適に過ごせます。クリニックや診療所の壁面や床材などには、患者が待っている間もリラックスできる配色を検討するとよいでしょう。クリニックや診療所の「顔」ともいうべき受付は、来院した患者が最初に訪れる場所として明るく清潔感のある内装設計が患者に安心感を与えます。受付で症状を伝える際などのプライバシー保護のため、待合室とは適切な距離があると安心感がさらにアップします。診察室なら、患者以外にも保護者や同伴者が入室することを考えた空間設計、会話が外部に漏れないための内装デザインが重要になります。
◎クリニック・診療所に適用される法律
クリニックや診療所などの医療系施設には、医療法や建築基準法をはじめとするさまざまな法律が適用されます。医療系施設に通う患者はもちろん、そこで働く医師やスタッフすべての人を守るための基準であり、内装設計においてはすべてをクリアする必要があります。
 
医療法の規定によると、入院設備が20床以上あると「病院」、19床以下が「診療所」と規定されています。1床でも入院設備を有している病院や診療所の建物は、建築基準法では「特殊建築物」として扱われ、敷地や構造、設備などに厳しい基準が定められます。災害時の廊下、階段、出入口その他の避難施設はもちろん、消火設備、排煙設備、非常用の照明装置や進入口、避難上や消火活動に必要な通路なども確保せねばなりません。壁や天井などの内装においても、室内に面している部分には防火上の問題がないように設計する必要があります。クリニック・診療所の場合、入院設備の有無により特殊建築物かそうでないかが決まります。
 
病院やクリニック、診療所などの医療系施設の消火設備に関しては消防法が適用されます。建築基準法では1床でも入院施設があれば特殊建築物に相当しますが、消防法においては4床以上が対象とされています。火災に際して利用する消火栓設備やスプリンクラーなどの設置に関しては、クリニック・診療所の「基準面積」によって決定されています。なお基準面積とは、防火上有効な措置が講じられた構造を有する部分のことです。また、自動火災報知機の設置はクリニック・診療所が有床・無床にかかわらず義務化されています。
 
さまざまな人がさまざまな理由で利用するクリニックや診療所には、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」通称バリアフリー法も適用されます。バリアフリー法における病院やクリニック・診療所は特定建築物とされ、車椅子使用者同士がすれ違える廊下幅の確保や、車椅子使用者用トイレの設置、スロープや専用駐車場の設置などが適合努力義務とされています。
 
医療施設であるクリニックや診療所は、法律のほかに保健所の定める基準も適用されます。たとえば診察室の広さは9.9平方メートル以上、待合室の広さは3.3平方メートル以上が基準面積とされ、小児科については単独の診察室を設けること、診察室と処置室を兼用する場合にはカーテン等で区画することなどが望ましいとされています。
 
◎当社の手掛ける医療系施設の施工事例
当社はクリニックや診療所などの医療系施設の内装設計、施工も幅広く行っています。お客さまのイメージや要望に寄り添い、多数の実績からクリニックや診療所のベストな内装設計やデザインをご提案いたします。
 
〇千葉ニュータウン調剤薬局
千葉ニュータウンの調剤薬局のデザイン、プランニング、内装工事を行った事例です。白を基調とした清潔感のある空間をベースに、ぬくもりを感じられる木目調を組み合わせることで、訪れた人に安心感やリラックス効果を与えられるようデザインしました。
 
〇飯田橋クリニック
東京千代田区のクリニックの内装デザイン・設計、内装工事、什器造作、電気・空調・防災・給排水工事を行った事例です。白を基調として壁面や什器を立体的に仕上げることで、清潔感がありながら洗練された内装デザインを実現しました。
◎まとめ
クリニック・診療所などの医療系施設は、病気や怪我、感染症などから地域住民の健康を守り、高齢化社会を支える核となる重要な拠点です。内装設計には清潔感を表現するとともに、患者が安全安心に通院できる空間デザインが重要になります。当社は、クリニックや診療所に関するさまざまな施工実績があり、医療法や建築基準法などの各法律に対応した内装設計や施工、トータルプロデュースが可能です。お気軽にご相談ください。
 

クリニック・診療所など医療系施設における内装設計の基本とは