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戸建住宅をオフィスに活用するメリットと設計のポイント

近年、住む人がいない空き家が多く存在しており、日本全体の問題となっています。問題解決のために、空き家となっている戸建住宅をオフィスに活用する事例が増えてきています。戸建住宅をオフィスに活用すると、コスト面などでメリットがありますが、戸建住宅をオフィスとして活用する場合、防災面をはじめ対応が必要です。この記事では、戸建住宅をオフィスとして活用するメリットと、円滑に運用するための設計方法をご紹介します。
◎空き家などの戸建住宅をオフィスに活用する理由
国土交通省が施行した空家等対策特別措置法では、空き家とは、住んでいない期間や使われていない期間が1年以上の家であると定義しています。空き家と分類される家の割合は、大きな都市圏よりも地方で、街中よりも郊外で高い数字が算出されています。空き家増加の要因のひとつは、少子高齢化による人口減少や、都市圏への人口の流出です。地方の実家を相続しても、都市圏で生活しているため、戸建住宅に住まう人がおらず、空き家として存在し続けているケースも考えられます。相続する対象がいない戸建住宅の所有者が高齢になり、介護施設へ入ると、結果的に空き家の戸建住宅となってしまう事例も該当します。
 
戸建住宅の空き家は、少子高齢化の流れを鑑みると仕方ないといえる問題ではありません。戸建住宅の空き家が増加し続けると、景観が損なわれ、老朽化した戸建住宅の倒壊や、木々と廃材が原因の環境悪化のようなリスクが生じます。同時に、不法侵入や放火など、治安の悪化も戸建住宅の空き家はもたらします。しかし、戸建住宅の空き家をオフィスとして活用すると、これらのリスクを小さくすることが可能です。
 
オフィスとして活用する際、景観を損なうほど外観に問題がある場合は、修繕が行われ、美観が回復します。伸びきった木々やなど衛生環境が悪化する問題も、外観を整えると解決するでしょう。建物倒壊のリスクも、各法律の順守と働く人の安全のために改修が施されます。不法侵入により治安が悪化する事態も、オフィスとして活用する以上、防犯対策は企業として欠かせません。放火による火災リスクの増加は、防火設備が整備され、防犯対策として監視カメラなどが設置されると、けん制として有効に機能します。
◎戸建住宅をオフィスに活用するメリット
戸建住宅をオフィスとして活用すると、オフィスに関する初期費用を抑えられます。戸建住宅を仕事場所として契約すると、居住用である戸建住宅はスケルトンのオフィスと異なり、間切りがされているため、コストダウンが可能です。たとえば、パーテーション工事が必要な場合、費用も工事に要する日数もかかります。しかし、戸建住宅をオフィスとして活用すると、間仕切り不要でコストカットが実現するでしょう。
 
オフィスにはキッチンやトイレをはじめ、生活する設備も求められますが、戸建住宅にはすでに設置されています。水周りがきれいならそのまま使い、ほかの居室を仕事スペースとして、自分の好みを反映させたり、使いやすく設計したりできます。さらに、戸建住宅には駐車場が敷地内に備わっているケースも複数あるため、車通勤を考えている人には好ましい環境です。会社の敷地内に駐車場がないと、追加費用が発生してしまいます。イニシャルコスト削減を試みたにも関わらず、結果的に高くついてしまう可能性を否定できません。駐車場がセットとなっている戸建住宅を活用すると、コストを抑えた運用を行えます。
 
戸建住宅をオフィスに活用し、内装を自分好みに設計すると仕事への意欲を上げられます。落ち着いた雰囲気がただよう図書館や、静かできれいなカフェで仕事をすると、効率よく作業を進められます。自分の好みを反映させたり、心地よいと思う空間を作ったりする行為は、作業効率が向上する環境作りのひとつです。また、自分の趣味や好みを戸建住宅の内装に活用しながら、彩りや観葉植物を設置し見た目を工夫すると、モチベーションアップにも貢献します。用いる色彩には、青や黄色があげられます。青は、人の心を落ち着かせる効果をもつ色のため、集中力アップが期待できるでしょう。黄色は、明るい色であり部屋全体を彩ってくれるため、気持ちを明るくさせたり、発想力と想像力につながったりします。観葉植物は、リラックス効果をもたらす緑色をしています。インテリアとしておしゃれな空間演出にも利用できますが、リラックス効果による作業効率や集中力の向上が可能です。また、生の観葉植物は、湿度の調整など、空気に対してよい機能も備わっています。空き家の戸建住宅をオフィスとして活用することは、社会貢献にもつながります。空き家を活用したオフィスとして、独自の方向性から社会にアピールもできるため、企業イメージの形成やイメージアップが可能です。
◎法律の観点から見た戸建住宅を運用する方法
戸建住宅をオフィスとして活用する際は、建築基準法や消防法をはじめ、法律の順守が求められます。法律にのっとった設計で戸建住宅を活用すると、オフィスとしてスムーズに運用ができます。
〇通路の幅を確認する
戸建住宅を活用する時の内装設計では、機能性や意匠性に注目しがちですが、法律の目線では、戸建住宅の廊下などの通路の幅が重要です。建築基準法とは、戸建住宅をはじめ、建物を建設する時の基準を記している法律で、遵守しないと罰則を科される可能性があります。建築基準法では、廊下の幅について、廊下の両側に居室があるケースと、廊下の片側に居室があるケースでは、異なる数字を示しています。人がすれ違える幅として定める廊下の幅は、前者は1.6m以上、後者は1.2m以上です。
 
建築基準法では内法で幅を測定します。柱の出っ張りが廊下にある場合は、1番幅の狭い部分で計算するため注意が必要です。一方、オフィスとして活用する戸建住宅の居室スペース通路幅には、規程がありません。人がスムーズにすれ違える幅である、1.2mを確保しておくと安心でしょう。火事が発生した際の備えを定める消防法に焦点を当てると、一般のオフィスの通路幅について、具体的な数字は定められていません。デパートなどの物品を販売する店舗の通路幅の規程は、消防法で言及されていますが、戸建住宅を一般的なオフィスとして活用するケースにおいては、建築基準法にのっとった設計にすると問題は生じません。
〇避難経路を確保する
避難通路について消防法が定めている内容は、通路の幅ではなく、避難経路の確保とスムーズな移動の可否です。建築基準法で定める十分な通路の幅が物理的にあっても、大きな荷物や物品を置いてはいけないとされています。通路に大きな荷物や、倒れて速やかな避難を妨害するような荷物がある場合、緊急時のスムーズな避難ができなくなるためです。避難経路に大量に置かれた荷物が、火災時の避難を妨害した事例も過去には存在しました。消防署の職員などが立ち入り検査した時に、戸建住宅であっても避難経路に荷物があると改善指導を受けるでしょう。避難経路となる導線やメインの導線には、十分な幅と荷物を置かない注意が求められます。
〇パーテーションを設置は種類を確認する
戸建住宅をオフィスとして活用するケースでは、すでに間仕切りされていますが、追加でパーテーションを設置する場合は、どのようなかたちで仕切られるか確認が必要です。パーテーションには、低いタイプから天井に届き、部屋を完全に分離できるタイプがあります。注意が必要なタイプは、天井に届くタイプです。部屋を分断させるパーテーションを設置すると、分断された部分が新たな居室として認識されるため、消防署への届け出やスプリンクラーなどの設備が求められます。対応しないと、罰則が科される可能もあるため、留意しましょう。業者と相談をしたうえで、戸建住宅にパーテーションを設置すると問題なく運用に至れます。
〇内装制限について知る
オフィスの内装デザインは、好みなどが反映されがちですが、防災目的に壁と天井に制限が設定されています。火災発生時の燃え広がりを可能な限り引き延ばし、避難時間を増やすため、不燃素材や準不燃素材、難燃材の使用が必須です。燃えにくい材料は、不燃クロスや不燃木材がありますが、デザイン性やバリエーションも豊かになっているため、戸建住宅においても、こだわった内装設計に活用できます。内装制限についても、遵守していないと罰則を受ける可能性があります。戸建住宅を活用しようと試みても、罰則を受けると、企業イメージにも関わる問題となり得るため、内装制限には注意しましょう。
◎戸建住宅をオフィスに活用した当社の施工事例
戸建住宅を改装しオフィスとして活用すると、イニシャルコストの削減が可能です。また、自分の好みを反映させると、仕事へのモチベーションアップや作業効率化も見込めます。
〇練馬区大泉オフィス
練馬区大泉のオフィス移転に際し、空き家となっていた戸建住宅をオフィスとして活用した事例です。当社は、戸建住宅の空間デザイン設計や内装工事でご協力しました。木造の戸建住宅だったため、木の味や色味を活用しながら、「Comfortable×Office」というコンセプトを元に、やさしい彩りと居心地の良い空間作りを行いました。戸建住宅をオフィスとして活用するため、住居感を抑える階段の仕上げなど、オフィスの雰囲気がただよう工夫も施しています。使用した色合いは、既存の木材の色を活用しつつ、マッチするようなカラーを選定しながら、仕事スペースと休憩スペース、違う目的をもった居室の雰囲気にメリハリもつけています。
◎まとめ
戸建住宅をオフィスに活用すると、初期費用を抑えられたり、好みの内装を施して仕事の意欲を高めたりできます。また、戸建住宅の活用は社会貢献にもつながります。戸建住宅を利用する時は、各法律に留意した設計にすると、戸建住宅をオフィスに活用した場合でも、スムーズな運用開始が可能です。戸建住宅をはじめ、空き家問題が日本で問題になっているなか、戸建住宅をオフィスに活用したいとお考えの方は、当社までお気軽にご相談ください。

戸建住宅をオフィスに活用するメリットと設計のポイント