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コラム

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歴史ある古い建物のデザインを活用して得られる効果

建設から時間が経過した歴史のある古い建物のリノベーションで、建物に施されたデザインを活用するケースが増えています。建物が古いからといって、すべてのデザインが古臭くなるわけではありません。建物の古さやデザインは、ときに歴史を感じる味のある古さとして、人の感覚を刺激します。この記事では、歴史のある古い建物のデザインを活用するメリットや、古い建物を活かす際のポイントをご紹介します。
◎歴史のある古い建物が抱える課題
歴史のある古い建物が抱える課題古い建物が抱える課題のひとつは、入居者がいない状態が長く続いてしまうほどの、魅力度や競争力の低下です。歴史の長い建物でオーナーが愛着を感じていても、古いと思われてしまう建物は、入居者に選ばれません。古いという印象を与える理由には、建物の外観や内装に施されたデザインの古臭さ、素材の劣化などがあげられます。
 
デザインの古さが現代の感覚とかけはなれていると、歴史を感じる味のあるデザインとは言い難いです。壁材や床材の経年が劣化や損傷とみなされてしまうと、管理が行き届いていない建物と判断され、建物の魅力を下げる要因にもなります。古臭さを与えるようなデザインや建物は、本来もっていたはずの建物自体の魅力度を下げてしまうのです。
 
適切な経費率で運用できない状態も、建設から長時間経過した古い建物が抱えている課題のひとつです。経費率とは、家賃収入に占める経費の割合を指し、使用した経費が占める割合が増えるほど収入が減ることを意味します。たとえば、家賃収入100万円に対して経費が30万円になる場合の経費率は30%です。比較的新しい建物と比較すると、古い建物は建物を維持するための費用や、損傷したり壊れた設備の修繕費が必要になります。建設から時間が経過すると建物自体や設備の経年劣化が進み、それに伴って入居者離れが続いていくと、自然に経費率も上がります。
 
入居率回復を目的に、建物内部のデザイン変更を試みても、一部のデザイン刷新が確実に入居者を呼び戻せるとは限りません。さまざまな費用が積み重なり経費がふくらむと、収入に占める割合が上昇し、健全な建物管理と運営が困難になるでしょう。入居者離れが長く続き、経費率が高くなってしまうことは、歴史のある建物が抱える課題です。
◎築年数が経過した建物のデザインを活用するメリット
築年数が経過した建物のデザインを活用するメリット築年数が経過した古い建物をリノベーションする際、すでに施されているデザインを活用して得られるメリットは多くあります。リノベーション費用を削減し、味のある古さを新しいアピール材料にすることが可能です。
○古さを味として利用できる
歴史のある建物のデザインの古さは、入居者におしゃれな印象を与えるデザインとして活かすなら、レトロテイストなデザインとして引き続き活用できます。建物を形成する床や壁をはじめ、各材料のなかには時間が経過したからこそ醸し出せる風合いが出るものがあります。たとえば、ほどよい使用感のある木材は、レトロ感やビンテージ感を演出できます。ほかにも、床材に用いられた素材がタイルなら、西洋アンティークの雰囲気もまとえるでしょう。使用感が建物の古さと調和して、新築の建物では出せない味わいを作り出せると、建物の強みとして一気に変身します。あえて一新するのではなく、建物やデザイン、素材の古さを活用した味のある古さを作ると、ビンテージやレトロなデザインを好む入居者にアピールできます。
○SDGsに貢献できる
築年数が経過した建物のデザインを活用すると、SDGsに貢献できます。たとえば、SDGsが掲げる17の目標のうち、目標11の「住み続けられるまちづくりを」と目標12の「つくる責任、つかう責任」にアプローチ可能です。借り手が減った古い建物も、既存のデザインを活用して借り手がつくと、継続して運用できる建物として生まれ変わります。安全かつ快適に過ごせる力強い都市を目指す目標11に貢献できるでしょう。古いビルを取り壊さずにリノベーションすれば、産業廃棄物の削減につながります。また、建物をデザインしていた素材の古さを活かして使用を続けることで、目標12のモノの過剰な廃棄に協力できます。古く歴史のある建物のデザインの活用は、世界各国が実現を目指す方針であるSDGsにもとづいた考え方なのです。
○建物再生に必要なコストを削減できる
古い建物をリノベーションする際、建物に施されたデザインを引き続き使うと、リノベーションに要するコストカットが可能です。既存の建物を活かして建物を再生させるため、建物の新設や建物を取り壊す方法より、トータルのコストをおさえられます。建物のデザインに着目して古さを味だと判断できる場合、床材や壁材をそのまま使うため、新しい内装材を購入する費用はかかりません。生産が終了して今では手に入らないタイルなどの素材をそのまま活かせば、コストをかけずにレトロテイストを楽しめるでしょう。また建物の既存デザインの活用は、内装材の新規購入費用だけでなく内装材の撤去費用や解体費用もおさえられます。新しい床材や壁材を取り付けるには、まず既存の内装を撤去しなければなりません。古い建物のデザインの再利用は、建物再生に必要なコストの削減につながります。
 
○建物を歴史的な価値のある資産として残し続けられる
築年数が経過した建物のデザインを引き続き活用すると、歴史が刻まれた建物を歴史的価値のある資産として残せます。再生計画のもと建物の既存デザインが使用され、古さと新しさが融合した建物は、もはやただの古い建物ではありません。レトロテイストやビンテージ感をはじめ、味のある古さを実際に体験できる建物として、差別化され競争力が高まります。歴史的にも価値があり資産価値が向上した建物として、入居者が魅力を感じる建物になるでしょう。オーナーにとって強い愛着がある建物を、築年数が経過しても資産価値のある建物として未来に残せます。
◎古い建物をリノベーションする際のポイント
古い建物をリノベーションする際のポイント古い建物やデザインを活かしたリノベーションを検討するときは、計画を練る段階から確認すべきポイントがいくつかあります。建物や内装の劣化を確認し、活かせる箇所と更新が必要な箇所を判断しましょう。
○味のある古さと修繕すべき古さを選定する
建設から時間が経過した古い建物のデザインの継続使用を計画する際は、デザインや使用されている材料の古さの確認が必要です。味のある古さなのか修繕すべき古さなのか、ひとつひとつ確かめましょう。レトロ感やビンテージ感を味わえる古さは、引き続き活用できると考えられます。一方、修繕が必要だと感じたり古臭さを感じるようなデザインや内装材は、劣化や損傷が進んでいるため、更新が好ましいデザインだと判断できます。傷や劣化も味と考えられる場合もありますが、度合いが過ぎると建物の美観だけではなく、入居者の快適性や安全性を脅かすでしょう。味わいのある古さと残したら困る古さを区別したうえで、デザインとして活用するか修繕するか検討しなければなりません。
○建物自体の古さを丁寧に検査する
建設から長時間経過している場合は、建物自体の古さも確認が必要です。建物自体の劣化や損傷がひどい場合、歴史を感じられるデザインの活用ができない可能性もあります。どんなに建物のデザイン性が高くよい古さをもっている建物でも、見えないところの劣化の進行具合はわかりません。また複数居室がある建物では、入居者の使用状況やメンテナンスの頻度が異なります。建物の共用部だけではなく、居室ごとの状態の検査も必要です。古い建物は、目に見えなくても劣化が傷んでいるケースもあるため、建物のデザイン活用を希望する際は、建物そのものの古さにも焦点を当てて調査を行いましょう。
○古さ以外の付加価値も提供する
古い建物やデザインを活用するときは、よい古さ以外の付加価値も入居者に提供できるよう、計画を立てます。渋く価値のある古さに魅力を感じて入居を希望する人はいますが、他の建物との差別化を図るには、この建物にしかない価値の存在が欠かせません。たとえば、建物デザインの古さと調和するデザインが施された、レトロ感があふれる休憩スペースを作ると、建物全体のテーマとも合致するでしょう。建物の外観や内装のデザインに、ビンテージ感があふれる木材が使用されているなら、屋上に使用感のある材料を使ったウッドデッキを作ると、マッチします。付加価値を起爆剤とした、建物全体の魅力度や資産価値を向上させる計画の立案も、古い建物を活かすときのポイントのひとつです。
◎歴史ある古い建物のデザインを活用した当社の施工事例
建設から時間が経過した古い建物でも、魅力的なデザインの場合があります。適切な修繕を行い、新しい付加価値を入居者に提供することで、デザインの活用が可能です。
○東京都目黒区東山オフィス
歴史ある古い建物のデザインを活用した当社の施工事例 東京都目黒区東山オフィス目黒区東山にあるオフィスで、歴史ある古い建物のデザインを活用した意匠設計と内装工事にご協力した実例です。すでに施されている内装のデザインの利用と、追加でデザインする内装との調和を目的に、既存デザインのスケルトン天井とスラブ床をデザインの主軸としています。天井と床以外のデザインには、スケルトンやコンクリートとよくなじむ、インダストリアルや古民家風のデザインを用いました。味のある古さと更新が必要な古さを正確に判断し、味わい深くおしゃれな空間を作りました。このオフィスでこそ味わえるオリジナリティを生み出し、建物価値の上昇と入居している企業様のブランディングに貢献しています。
◎まとめ
築古の建物であっても、デザイン性が高く歴史的に価値がある場合、既存デザインの活用が可能です。デザインを継続して利用できると、味わい深い古さを入居者に提供し、建物リノベーション時の廃棄物を削減してSDGsに貢献できます。築年数が経過した建物のデザインの活用には、さまざまなメリットがあります。歴史のある古い建物のデザインを活用したリノベーションにご興味がある方は、当社までお気軽にご相談ください。

歴史ある古い建物のデザインを活用して得られる効果